生合成角膜移植

眼の角膜は外から入ってくる光を屈折させて網膜に像を結ばせるための組織です。
透明で光を透過させますが、コラーゲン繊維からできており非常に外力に弱いものです。
外傷や感染で簡単に破壊されます。
しかし今では、人の角膜を移植することで角膜損傷で失われた視力を回復することができます。移植する角膜はアイバンクなどに登録された方からいただくわけですが、
ドナーの数が足りないのが現状です。
失明の危機にあっても角膜移植を受けられない患者様も多いわけです。
他人からいただくわけですから拒絶反応の問題も解決させなければなりません。
また他人の角膜から病気が移植された患者様に伝播する可能性もあります。
メディカル・トリビューンの記事によると人のコラーゲンを出発物質として
生合成させ、角膜を人工的に作ることに成功したそうです。
まだ試験段階ですがこの生合成した角膜を10人の患者様に移植したのだそうです。
傷ついた角膜を除去し、生合成角膜の移植片で置換します。
手術後2年の経過観察では9人の患者様では健常な眼組織に似た角膜が再生できたそうです。
視力も改善がありコンタクトレンズを装着すれば全員で通常の角膜移植で得られるのと同じ
視力が得られたといいます。
通常の角膜移植では起こりうる拒絶反応もおこらず、長期にわたる免疫抑制剤の必要もなかったとのことでかなり期待の持てる技術と考えられます。